永井荷風 ひとり暮らしの贅沢

永井荷風 ひとり暮らしの贅沢 (とんぼの本)

永井荷風 ひとり暮らしの贅沢 (とんぼの本)

戦時中は人の世話になりながらも、ずいぶん気難しいひとだったようだが、素敵なポイントは基本的に食事は自炊、でも外食は贅沢、歳をとっても現役、たとえできなくても好色、というところ。
女がひとりで歳を取ると不憫なイメージになるのだが、作家がひとりでうまく歳を取るということの見本。わたしも死の直前までカツ丼を食べられる老人になりたい。

未発表の春本『ぬれずろ草紙』収録。荷風お得意の女性独白スタイルがぎょっとするほどエロくてよい。


購入書店:銀座教文館 ブックカバーは青

全然関係ないんだけれども、映画『幻魔大戦』(りんたろう監督)に「カフー」というキャラクターが登場するのですが、今ごろ気が付いたというか、なぜ今まで気が付かなかったのか不思議ですが、あれはやはり永井荷風がモデルなんですよね。背広に蝶ネクタイ、ステッキ、丸眼鏡、きわめつけ長い顎。たしかキャラクターデザインは大友克洋だったと思う。


平井和正の原作は読んでいないのですが、映画のドラマ盤レコードを親にねだって買ってもらい、絵コンテ集も熟読したので、今だにいろんなことを覚えており、主人公のお姉さんが殺されそうになるとき、台所のコンロにカチっと火がつくシーンは、日曜日の午後なんかにひとりで料理していると、ふいに思い出したりする。
音楽はキース・エマーソンが担当していて、全体的に凝ったサウンドトラックで、ソニーというちびっこギャングのテーマソングも格好よかった。主題歌はローズマリー・バトラーが歌う『光の天使』というシンセサイザーが美しい曲で、わたしの姉はピアノでよく弾いてくれてよく一緒に歌っていた家族の風景(以下略)