女性にとって、はたして何が幸せなのだろうか。

パリの高級娼館を経営していたマダム・クロードの、愛される女性指南を取り入れつつ、現代の日本女性にも適合するような解釈を作者が加える。こういう美しく生きるための女性啓蒙本というのは、自分にはっぱをかけたいときに読みたくなる。カムバック色気。やっぱり作者が美人というのは説得力を持つんだよなあ。ああ、緋紗子さま、あなたの言葉だったら信じるよ!
しかしまあ、内容は、倦怠期に悩む奥様が、どうすれば旦那とうまく夫婦生活を送れるようになるかというアドバイスにあふれています。奥様必見。


購入書店:丸善 日本橋


リニューアルしたばかりの頃の丸善日本橋店は、1階の中心に「丸善のコーナー」が据えられていて、梶井基次郎の『檸檬』で丸善が出てくるページが誇らしげに広げられていた。(今はもうない)
いつもゆったりとした雰囲気で、ほとんど混んでないのが気持ちが良い。客層がいかにも高給取りの人々(金融業が多いだろう)、まるで高級なホテルのように、調整された空気の香りがする。
丸の内オアゾ店と比較すると、もちろん日本橋店のほうがそれほど品数は多くはないけれども、ぶらぶらと当てもなく歩き回る丸善としては、このくらいの広さがちょうどいい。エレベータ脇に椅子が贅沢な間隔で添えてあるのが、いかにも日本橋風(この傾向は改装した日本橋三越新館、コレドにも見受けられる)であるのだが、それは買っていない本をそこで読んでいいというような場所にはない。
3階のガラス越しから、向かいの郄島屋が美しくライトアップされるのを眺める午後7時半くらいの時間帯が心地よい。


丸善のブックカバーといえば、白地にグレーのロゴ、黄色い日本地図のアレですが、日本橋店のソレはリサイクルペーパー色のバフン紙です。(LIBROのカバーの色。) それは日本橋店限定のものらしい。裏表紙にバシッと入ったMARUZENのロゴがモダンでいい感じ。ソフトカバーの本に、優しく馴染む。ハードカバーなら白いほうが気持ちが良いと思うけれども。


でも個人的には、ブックカバーをつけていただくのであれば、裏表紙のカドの部分も、折り目の中に入れていただきたいんだよなあ。(さいきん、コレをちゃんとやってくれる書店が少ない)