貧困大国 アメリカ
- 作者: 堤未果
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/01/22
- メディア: 新書
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最近、日経ビジネスオンラインの書評のラインナップが面白い。
現代の食生活が全体的にやばそうなのは日本だけではなくて、アメリカの給食はびっくりするくらいジャンクフードばかりで、肥満は貧困によってもたらされるということを痛切に感じます。もちろん良家の子女が集まる学校はそうじゃないんだろうけれど。特に所得が低い州は予算が無いので、給食の外注をファーストフード会社に委託せざるを得ない。
日本でもひどい食生活している人はたくさんいるけれど、貧乏じゃなければスポーツする余裕もあるのでそんなに太ってないですよね。
保険料が高額なため医療にかかれない現実、一度病院に行ったらその費用が払えない貧困ループ、低所得層の若者を狙って、軍がリクルーティングしているというのは、マイケル・ムーアの映画などでも取り上げられていましたが、それよりさらに驚くべきことは、イラクへ送り込むための兵士は「派遣会社」によって、海外からも調達されているという事実は、かなりショッキングです。要するに民間企業によって人が集められていると、たとえ現地で亡くなっても、戦争による死者にはカウントされない。つまりあの戦争で命を落とした人はアメリカ政府が公表しているよりもっと多い。もはや確認することもできないだろう。
情報もデータ量も多く、よく取材されていることが伺えます。書いてあることはかなり悲惨なのですが、それゆえに読者をハラハラさせながらページをめくらせ、興味深く読ませることができる本です。
それにしても、貧困って、太るんだなあ、恐ろしい。
(追記)
先日、昔を知ってるひとたちに会った。太ってた。貧乏なのかなあと思った。大きなお世話だが。