ムーミンパパの「手帖」
- 作者: 東宏治
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2006/12
- メディア: 単行本
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正直なところ、全てのムーミンを読んでいない。どれも完全に読んでいると言えない。高校の図書館に文庫があったことを覚えているのだが、それはおそらく『ムーミンパパ海へ行く』で、ニョロニョロがゾロゾロでてくるシーンがあったように記憶しているのだが、それはとても不気味という印象であった。当時、ちょうどムーミンのグッズがよく売られていて、わたしは学校のサブバックにニョロニョロのマスコットをつけていたにも関わらず、ムーミンという作品をよく知らないという後ろめたさから、その本を手に取ったのだが、その不気味なイメージがこびりついて、それから読む機会に恵まれなかった。
近年、絵本のような大きなサイズの漫画が発売されて、それにはずいぶん購買欲をそそられたのだが、買うなら全巻手にいれないと気が済まないし、そして結局ふみこむ機会もなくこのままきてしまった。
ヤンソンの絵は好きだし、2004年に発行された雑誌『みづゑ』のムーミン特集も大事にしているし、長い間、愛用しているアラビア(今はイッタラか)のマグカップはスナフキンだし、今年は部屋にはってあるカレンダーさえもムーミンだ。
まだ全然この本の話をしていないんだけれども、寝る前に数ページづつ読んでいます。これは人生について、とても慰められる一冊です。もっとヤンソンの作品を知りたくなる。しかし、どんな評論を読んでも、それらの作品を全て充分に読んでいないという後ろめたさはそのままだ。
ちなみにヤンソンのセクシュアリティについては言及されていない。