貧困大国 アメリカ

ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)

ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)

最近、日経ビジネスオンラインの書評のラインナップが面白い。


現代の食生活が全体的にやばそうなのは日本だけではなくて、アメリカの給食はびっくりするくらいジャンクフードばかりで、肥満は貧困によってもたらされるということを痛切に感じます。もちろん良家の子女が集まる学校はそうじゃないんだろうけれど。特に所得が低い州は予算が無いので、給食の外注をファーストフード会社に委託せざるを得ない。
日本でもひどい食生活している人はたくさんいるけれど、貧乏じゃなければスポーツする余裕もあるのでそんなに太ってないですよね。

保険料が高額なため医療にかかれない現実、一度病院に行ったらその費用が払えない貧困ループ、低所得層の若者を狙って、軍がリクルーティングしているというのは、マイケル・ムーアの映画などでも取り上げられていましたが、それよりさらに驚くべきことは、イラクへ送り込むための兵士は「派遣会社」によって、海外からも調達されているという事実は、かなりショッキングです。要するに民間企業によって人が集められていると、たとえ現地で亡くなっても、戦争による死者にはカウントされない。つまりあの戦争で命を落とした人はアメリカ政府が公表しているよりもっと多い。もはや確認することもできないだろう。

情報もデータ量も多く、よく取材されていることが伺えます。書いてあることはかなり悲惨なのですが、それゆえに読者をハラハラさせながらページをめくらせ、興味深く読ませることができる本です。

それにしても、貧困って、太るんだなあ、恐ろしい。

(追記)
先日、昔を知ってるひとたちに会った。太ってた。貧乏なのかなあと思った。大きなお世話だが。

購入書店:丸善 丸の内オアゾ

勝間式 利益の方程式

勝間式「利益の方程式」 ─商売は粉もの屋に学べ!─

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帯の写真がいいなあと思う。今までに比べてずいぶん柔らかく優しそうなお姉さんな顔をしています。10倍ナントカの時の自転車乗ってる姿より、こわくないです。

購入書店:丸善 丸の内オアゾ


(追記)
5月20日、講演会&サイン会いってきました。意外なことに、ずいぶんと感じのいい雰囲気で、嫌味もない、素敵な笑顔をお持ちでした。特に目力がある女性でした。いいお話を聞けました。働く希望をいただきました。

勝間和代のインディペンデントな生き方 実践ガイド

職場での昼休み、隣のお嬢さんが一生懸命この人の10倍アップなんとかの本を読んでました。電車などでも隣の人が読んでる本が横目で見て何か分かったら、それは売れている本であるというのが、個人的な基準です。

自分をグーグル化するナントカがめちゃくちゃ売れていそうな人です。名前からして勝ち組だ。かつまかずよ。ひらがなだけでも強そうです。

本を買うタイミングというのは、その殆どはその日の気分とかモチベーションによって決まるというもので、この日もなんだかやる気のない自分にちょっと景気つけようかなと思って、この軽めの新書サイズの本を買ってしまった。

これからの自立した女性は、年収600万円が目指すところであるとおっしゃっております。おそらく作者はその倍以上余裕で稼いでいるんだろうけれども。

作者の統計によると、世の中の女性10人にひとりは年収600万円であると言う。
サラリーマンの平均年収が450万円そこらだったと思われるが、個人的な感覚では、女性の場合は年収400万円程度稼げればいいほうだろう。おそらく、読者としてはその層がターゲット。

しかし1000万円めざせといわれると、ちょっと手が届かなそうで辛い。800万円もちょっと難しそう。でも頑張れば600万円くらいなんとかなるんじゃないだろうか、と思わせるテンポで内容はすすんでいく。
あなたたち、600万円稼げるんなら、人生はもっと自由で有意義なものになりますよ。つまらん男に依存したまま、経済的な理由で別れられないという状況は不幸であるよ、と。煽ります、これ言われたら焦ります。

そして年収600万円になったあなたには年収1000万円の男性がオススメです、という根拠も面白い。女性より収入が低い男性では逆に依存されてしまうのでNG(くらたま氏の証言も投入)。さらにお互いに高めあう関係になれない。ちなみに男性も10人にひとりが年収1000万円だから、男性の自尊心を維持するにも、ちょうどそのあたりが相応しい。
だからあなた、もうちょっと上を目指しましょう。年収があがれば、環境が変わり、人間関係も変わりますよ。そのためにはどうすればいいのかという提言が、働く意欲を高めたい悩める女性に、効きそうです。

購入書店:丸善 丸の内オアゾ

しかしこの本を読んでいるのを人に見られるのは、恥ずかしい、と思った。そもそもビジネス書とか啓蒙系の読んでいるのって、なんとなく後ろめたいという気持ちがあったりする。

好きか嫌いか、好きな作品もあるけれど

全てではないのだけれど、この作家の作品を読んできたけれど、なんだか好き嫌いが分かれるような気がする。面白いのはすごく面白い、好きな作品もあるのに、そうじゃないものは、読んでいてだんだん疲れてくる。でも自分が好きじゃない作品を好きだという人もいるんだろうから、やっぱり好みの問題か。

個人的に、あまり好きなじゃないパターンは、都合良くポンポン状況が進むところ。好きなところは、人間関係が徐々に変化していくところ。ここに一番読みごたえがある小説が好きです。「うわわわわぁー」と思わせるような作品を書いてください。お待ちしています。

作者は色白で肌の綺麗な方でした。

−−

ちなみに、うちにはピアソラのCDはいっぱいあるのだけれども、この本を読みながら音楽はかけませんでした。部屋で本を読んでいるときは、あまり音楽を流さない。
残念ながら、この本を読んでいて、自分の頭の中にはタンゴは流れてこなかった。

5編の短編で構成されています

「現実との三分間」
 主人公がタンゴを踊るときの心象風景が殆どなくて、これを読みながら、作者は踊ったことがあるのだろうか怪しんだ。しかしこの内容には無理が・・・ちょっとこれはありえなくない? 借金して背負うかよ?

「フーガと神秘」★★★
 この作品が一番好き。電車の中で読みながら泣けてきた。しかし子供が嫁に行く話というのが、「あー作者も年齢を重ねてきたんだよなー」と思った。

「ドブレAの悲しみ」★★
 これも結構すき。猫が主人公だけれども、おとぎ話的な穏やかな雰囲気が流れつつ、構成がまとまっていて読者を飽きさせない。最後のオチもちょっと笑える。

バンドネオンを弾く女」
 そう、主人公が「主婦」で「子供がいる」っていうところに、今までのこの作者の小説にない生活が描かれていますね。でもちょっとテンポが早すぎ? もう少し細部の状況を描いてほしいかな、と。

サイゴン・タンゴ・カフェ」
 うーん・・・。この作者はこういう人生を送りたいのかな。あんまり作家本人を小説に投影しすぎるっているのは、なんだか読者をいごこちの悪い思いにさせるような気がするのだけれど。しかし昔はそれが気にならなかったのだけれど。唐突に話がすすみ、最後もぎゅうぎゅう詰めのような展開。ラストが予想できちゃうというのは、ちょっとつまらなくなりますよ。

サイゴン・タンゴ・カフェ

サイゴン・タンゴ・カフェ

サイゴン・タンゴ・カフェ

購入書店:三省堂書店 有楽町店

3月1日、サイン会に行って参りました。サイン会の日の日記はこちら
ミーハーみたいですけれど、サイン会って楽しくていいですね。作者はもちろん、読者の顔を見るのも(そして見られるのも)また一興。
当日、クールな女性カップルがいて、ささやかに寄り添いながら、遠目に作家を見つめていたのが印象に残りました。いい感じのおふたりでした。

その話はさっきも聞いたし。

クオリアという言葉を最初に知ったのは、たぶん2年前くらいの、場所は確か八重洲ブックセンターに、どしどしと本が平積みされてた頃だった。新しい情報はいつも書店から得られる。これから流行る言葉なのかなー。でもまあなんだか難しいこと言ってる大学のセンセイなのかなー。と思ってたら、最近になってこのクシャクシャ頭の人(頭に指立てる)は、ずいぶんとマスコミに露出している模様。

書いてあることはぜんぜん難しくなくて、ずいぶんと読みやすい文章ばかりなのだけれど、同じ言葉の羅列とか、「いやもう、それさっき聞いたし」とツッコミたくなるような話題が何度も出てきて、一冊の本としては出来があまりよくない。全体的にネタも古い。

好きな言葉は「デジタル資本主義(笑)」のようだ。使用頻度高すぎ。